気になる情報

エレベーター故障、1~7階まで入院患者461人分の食事を人海戦術で配膳

   

https://m.facebook.com/story.php?story_fbid=866619396780321&id=100002968054259


エレベーター故障、1~7階まで入院患者461人分の食事を人海戦術で配膳

http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/report/t265/201605/546774.html

2016/5/3
取材・構成:庄子 育子=編集委員
 2016年熊本地震の発生を受け、熊本市内に六つある基幹病院の一つ、国立病院機構熊本医療センター(550床、熊本市中央区)はどう動いたのか。院長の河野文夫氏からは震災対応に関する詳細なメモをいただいた。そのメモを元に構成した、院長の動きや同院の取り組み状況を紹介する。


国立病院機構熊本医療センター院長の河野文夫氏。

 当院の被害状況を先にお伝えすると、今回の地震に関し、2009年8月に新病院を建築していたのが幸いした。最新の耐震構造の全面建て替えを行っていたおかげで、病院本体の損傷は軽微で済んだ。

 病院のインフラで最も大事な水についても、当院は地下水を使用しているので、濁りはしたものの、ずっと利用でき、シャワー、トイレなどに不自由することはなかった。一時、飲用はできなかったが、それも浄水器を使うことで改善し、やがて濁りそのものが減少し、飲めるようになった。

 電気はごく短時間の停電に見舞われたが、すぐに自家発電に切り替わって事なきを得た。都市ガスは、やっと2週間後に復旧したが、その前に都市ガス会社にお願いしてLPガス(プロパンガス)を導入して米飯を患者さんに提供した。

前震で70人超が受診、34人の転院を受け入れ
 4月14日木曜日午後9時26分に最初の震度7の地震が起きた際、私は自宅にいた。当院では、夜間・休日に地震が発生した場合、本部職員は「震度5強以上」、職員は「震度6以上」の地震発生で自主参集、防災担当職員および宿舎入居者は「震度5以上」で自主参集となっている。そこで、私も自分の車で病院に駆けつけた。この時、自宅や、病院までの市街地で、停電はなく、信号も正常であった。

 午後10時半までに病院に到着。既に多くの職員が病院に参集していた。地震発生を受けて当直の管理当直者は、午後10時にはマニュアル通りに暫定災害対策本部を作り、各病棟、各部署からの被害の報告を受けているところであった。そこへ私が到着し、暫定災害対策本部を直ちに正式へ切り替え、災害対策医療活動の統括に当たった。

 災害訓練の時と同様に、正面玄関部分をトリアージエリアにし、外来受付部分を軽症患者診療エリア、待合スペースを中等症患者診療エリア、救急外来を重症患者診療エリアとし、救急患者の受け入れに備えた。軽症、中等症のエリアには、薬剤部が臨時調剤所も設けた。

 程なくして、ウォークインや救急車で、体調が悪くなった患者や怪我をした患者が次々と運ばれてきた。当院は、熊本市内に六つある基幹病院のうち、最も揺れの激しかった益城町から一番遠い熊本市西部に位置する。そのせいもあってか、近くに住む軽症者が比較的多くを占めた。それでも、朝までに70人超が受診し、うち14人が入院した。その中の1人は意識不明の重体だった。

 一方、ライフラインが途絶したK病院およびH病院から、計34人の転院要請があり、受け入れた。当院のベッド数は550床で、通常はおおむね490床ほどが稼動している。それが地震後の入院患者受け入れで、この日の在院患者数は530人に上った。


国立病院機構熊本医療センターのFacebookページより

 こうした当院の動きとは別に、国立病院機構では、地震直後の午後9時41分に機構本部に災害対策本部を設置、併せて現地対策本部を当院内に立ち上げた。熊本県にもDMAT調整本部が立ち上げられ、4月14日23時19分に熊本県内のDMATに出動要請があり、当院のDMAT2チーム(計医師2名、看護師4名、後方支援3名)は熊本赤十字病院に立ち上げられたDMAT活動拠点本部に向かい、15日未明から夕方にかけて、被害が大きい益城町へ支援に向かった。災害医療センター(東京)と大阪医療センターに設置された厚生労働省DMAT事務局のDMATチームも直ちに熊本県庁DMAT調整本部の支援を行った。

 トリアージエリアに訪れる患者が次第に減少したのに伴い、4月15日午前3時ごろには臨時に設置した器材類を片付けて撤収し、通常の救急外来体制とした。その後、私は自宅に戻った。

手術室は10室中2室が損傷、MRI 1基も使用不可に
 翌4月15日金曜日は、通常より救急患者が多かったものの、職員は淡々と仕事をこなし、院内は平穏を取り戻しつつあった。ところが、4月16日土曜日午前1時25分に、再び最大震度7の地震が発生して、状況は一変した。

Next入院患者461人の食事をバケツリレー形式で配膳http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/report/t265/201605/546774_2.html

熊本地震◎そのとき、熊本医療センターは…
エレベーター故障、1~7階まで入院患者461人分の食事を人海戦術で配膳
2016/5/3 取材・構成:庄子 育子=編集委員
 その時も自宅にいた私は、やはり車で病院に向かった。だが、前回と異なり、今度は道路に瓦などが散乱し、信号も一部消えていたため、病院に着くのに通常の倍近く時間がかかった。

 午前2時45分ごろ到着すると、既にトリアージエリアは再設置済みだった。そこに多くの外傷患者が押し寄せた。14日よりも地震の規模が大きかったことに加え、当院よりも震源地の益城町に近い熊本赤十字病院や済生会熊本病院に救急患者があふれてしまっていて、その分、当院に救急搬送される件数が増えたのだ。

 医師や看護師らメディカルスタッフが懸命に救急対応に当たる一方、事務部門も、被害状況の確認に始まり、県の災害対策本部への非常食および飲料水の要請、救急搬送車両の誘導、駐車場の整理など、せわしなく動いた。

 この2度目の震度7で、手術室は10室中2室が損害を受けて使用できない状態に。1室は天井が一部落下し、もう1室は無影灯の軸が曲がった。放射線科ではMRI1基の軸が曲がり、これも使用不可となった。厨房は都市ガスが停止し、プロパンガスで代用することになった。


手術室の無影灯が一部破損し、部品が落下した。(提供:国立病院機構熊本医療センター)

 地震後には停電が発生し、無停電電源装置が作動。30秒後に復電したので、救命センターや集中治療室などに影響はなかった。だが、エレベーターは停止したまま。そこで、事務部門が中心となって、人力による朝食搬送を計画した。

入院患者461人の食事をバケツリレー形式で配膳
 午前7時から8時にかけて、1階の厨房から、病棟の最上階の7階まで、事務部の職員と栄養管理室の職員、さらには看護学校教員、学生、また看護師も応援に入って、合計40人がかりで、入院患者461人の食事を、各患者1人分のお膳をバケツリレー形式で運んだ。エレベーターはその後、専門業者が点検作業を行い、午前11時に復旧した。

 周辺の医療機関からは、患者受け入れの要請が相次いだ。熊本市民病院では、1階の天井が約2メートル四方にわたって崩れ落ちたほか、給水管が破損し、水漏れが発生。そのため、320人余りの全入院患者を転院させることになり、当院では19人を受け入れた。

 ほかにも、同じく建物が崩壊の危機に陥ったり、スプリンクラーが誤作動した、あるいは断水によって人工透析が行えなくなったという複数の病院からの転院要請に対して、最大限応じた。その分、軽症患者をどんどん退院させるなどベッドコントロールも進めた。さらに、当院のヘリポートから、5名の患者さんを佐賀大学付属病院に航空搬送を行った。


国立病院機構熊本医療センターは、熊本県内に14ある災害拠点病院の一つ。ドクターヘリが待機できるヘリポートも備える。(提供:国立病院機構熊本医療センター)

 16日未明の地震を受けて、国立病院機構災害対策本部は、国立病院機構初動医療班を派遣することを決定し、当院に順次初動医療班を派遣した。初期のチームはDMATとして当院の災害対策本部支援および救急外来の診療支援を行った。国立病院機構初動医療班は速やかに益城町に救護所を立ち上げ、被災地での避難所支援と救護所業務を行い、現在も「国立病院機構医療班」として継続して救護所活動・避難所支援を行っている。

 結局、16日は夜間・救急対応だけで約300人が受診。翌17日日曜日には同じく夜間・救急対応だけで約200人が受診した。

Next事務部門の支援に早期からのボランティア導入もhttp://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/report/t265/201605/546774_3.html

2016/5/3 取材・構成:庄子 育子=編集委員
肺塞栓患者死亡でマスコミ対応に追われる
 4月18日月曜日、19日火曜日は、救急患者対応のため、一般外来を休診。増加する外来患者に対して各科から医師1人を救急外来へ供出し、さらに研修医全員も救急対応とした。

 4月18日の午前7時過ぎには、車中泊をしていて車から降りた際に倒れたという女性が心配停止の状態で救急搬送されてきた。肺塞栓を起こしており、同日亡くなられた。熊本市消防局がこの事例を公表すると、今回の地震で「エコノミー症候群」による死者が明らかになったのは初めてだとして、マスコミが大きく報道し、事務部門が取材対応に追われることになった。

 4月20日水曜日から通常の診察を開始し、翌4月21日木曜日には、救急患者が減少してきたので、災害対策本部機能を縮小し、救急患者診療エリアを平時の通り救急外来のみに戻した。最終的に、発災より1週間で約1000名の傷病者を受入れ、そのうち200名が入院されたことになる。

 今回の震災で、県災害対策本部に要請した非常食と飲料水は比較的早く手に入った。余震がひっきりなしに続く中、職員は「また大きな揺れがあったら、病院の食料が底を突くのではないか」と不安になっていたので、これは非常に助かった。さらに、国立病院機構やSPD(物品管理)を担う外部委託業者からは、当院職員に対する食料や水の援助もあり、とてもありがたかった。職員自身が被災者で、中には家屋が全壊や半壊してしまった者もいる。この援助で職員がどれだけ元気づけられたか、感謝に耐えない。

 なお、避難所生活などを余儀なくされる職員向けには、早くから当院の講演会などに使う大きなホールなどを開放していて、希望に応じてそこで寝泊りしてもらっている。


避難所生活をする職員向けにベッドと飲料水を用意した。(撮影は4月28日)

事務部門の支援に早期からのボランティア導入も
 国立病院機構を通じて人的支援の面も手厚く、もちろんそれも大いに役立った。時間の経過とともに、職員は疲労がたまるので、交替要員がいることで肉体的・精神的にも楽になれる。

 ただし、人的支援に関しては、事務部門へのサポートがもっとあってもいいのではないかという点が一つの課題として浮かび上がった。人的支援というとどうしても医療職にばかり目が向きがちだが、様々な調整業務に追われる事務職も、かなり忙しい。当院の事務部門からは、「駐車場の整理誘導や物資の搬入輸送はボランティアでもいてくれたら助かった」との声が挙がっており、県との調整などを通じて、病院で早くからボランティアを受け入れることも今後は考えていきたい。

 また、当院は電子カルテを導入していて、今回はその稼動にほぼ問題がなかったからよかったが、稼動しなくなることも想定して、急遽紙カルテ使用をする際の教育も積んでおく必要がある。

 今回の熊本地震の大きな特徴として、過去に例がないほど余震が続いていることが挙げられる。いつまで続くのか予想もできない状態だ。そうである以上、二度あることは三度あるかもしれない。それゆえ、当院では、三度目の震度7の地震に備えての対策を指示。まず、患者の食料だけでなく、職員の食料も備蓄するようにした。さらに、職員全員に対して、三度目の地震に対する心構えを持つよう伝えるとともに、災害対策のマニュアルの訂正も行いつつある。備えあれば憂いなしではないが、初回、二回目の地震に対しての反省に立ち、とにかくいろんなことを準備しておくつもりだ。

 これから今回の震災対応への長期戦が強いられる。地震発生から1週間の、災害サイクルにおける「急性期」の時期を過ぎ、今は発生から3週間までの「亜急性期」。そして、まもなく「慢性期」へと入る。この先は、消化管出血(ストレス性潰瘍)、慢性疾患および生活習慣病などの増悪、さらに続くとストレスから来る精神疾患が増えてくることが予想される。われわれ熊本医療センターの職員は、地域医療機関と協力し合いながら、こうした疾患へのバックアップ体制をしっかり敷いておくことが欠かせない。そのためには職員に過度な肉体的・精神的負荷がかからないよう、院長として留意したい。

Yuki(ゆき)
 

スポンサードリンク




 

スポンサードリンク

 - 平成28年熊本地震ライフライン

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

【 熊本・阿蘇!支援団体も一丸となって! 】 阿蘇では 災害ボランティア連絡会議を先週からスタートさせ、それぞれの支援団体と情報交換を行いながら連携を図っています。

スポンサードリンク https://m.facebook.com/story.p …

no image
<熊本地震>宮城県、応援態勢縮小へ (河北新報ダイジェスト) – LINEアカウントメディア

スポンサードリンク <熊本地震>宮城県、応援態勢縮小へ (河北新報ダイジェスト) …

<ドローン>秋田・仙北の観光に一役 (河北新報ダイジェスト) – LINEアカウントメディア

スポンサードリンク <ドローン>秋田・仙北の観光に一役 (河北新報ダイジェスト) …

no image
NPO・ボランティア等によるきめ細やかな支援について テキスト版

http://www.city.fukuoka.lg.jp/bousai/kum …

熊本復興ソング 南阿蘇在住、元C-C-B・笠さん呼び掛け (西日本新聞) – LINEアカウントメディア

スポンサードリンク 熊本復興ソング 南阿蘇在住、元C-C-B・笠さん呼び掛け ( …

「はたけのみかた」様と共同支援物資として、700食分の離乳食(常温保存のレトルト食)をお送りさせて頂くことになりました。

スポンサードリンク https://m.facebook.com/story.p …

本人特定にQRコード名札 徘徊心配な高齢者の家族支援

スポンサードリンク http://news.line.me/list/oa-ky …

避難所MAP 熊本県内の避難所マップ、ついに完成しました!

スポンサードリンク https://m.facebook.com/story.p …

no image
<仙台空港民営化>国際化へ知名度アップ必至 06.01 09:48河北新報ダイジェスト

<仙台空港民営化>国際化へ知名度アップ必至 (河北新報ダイジェスト) &#821 …

no image
平成28年熊本地震の災害ボランティア募集について(5月16日08:00更新)

スポンサードリンク https://m.facebook.com/story.p …